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相続登記の登録免許税免税措置について

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相続登記の登録免許税免税措置について

相続登記の登録免許税免税措置について

2022/10/08

 令和4年度の税制改正により、100万円以下の土地について、登録免許税の免税措置が設けられました。

 正確に言うと、以前から同様の免税措置はあったのですが、すべての土地に適用があるわけではなかったことや10万円以下の土地についての措置だったりして、地方の農地等を持っている方等はともかかく、多くの方々にとっては、あまり意味のある措置ではなかったと思います。

 それが今回、この免税措置の適用対象が全国の土地に拡充され、不動産の価額が100万円以下の土地に対象が拡大されたことで、より多くの方々にとって、意味のある措置になったと思います。


 そうは言っても、東京やその近郊の方々は、「100万円以下の土地なんてあるのか?」、「意味があるのか?」というような感想を持たれるかもしれません。

 確かに、東京やその近郊で、自宅建物が建っているような土地の中に、100万円以下の土地などないかもしれません。


 しかし、実際には、東京でも、この免税措置の対象となる土地は、少なくありません。

 どのような土地が対象になりうるでしょうか?

 

 以下に、いくつかの事例をご紹介したいと思います。


<土地が複数の筆に分かれている場合>

 自宅建物の建っている土地(底地)は、一筆とは限りません。複数の筆に分かれていることがあります。

 筆が分かれているような場合、中には非常に小さな土地がある場合もあります。

 

 そのような土地の場合、免税措置が受けられる可能性があります。


 その前提として、「100万円以下」に該当するかどうかは、土地全体ではなく、筆ごとに計算されます。

 例えば、


A土地 1500万円

B土地  100万円


 というような場合はどうなるでしょうか?


 A土地とB土地の価額を足すと合計1600万円になります。

 この1600万円に対して、登録免許税がかかるのでしょうか?


 免税されるかは、筆ごと(土地ごと)に判断されます。

 従って、A土地は課税、B土地は免税となります。


 そして、A土地のみの1500万を基準として、全体の登録免許税が計算されることになります。


 このように、一見、全体として1600万円くらいの価値があると思われる土地でも、筆が分かれており、その中に小さな土地があるようなときは、免税の恩恵を受けられる可能性が出てきます。


<私道部分を所有していたり、私道の持分を有している場合>


 建物は、道路に面していないと建築することができません。

 そのため、公道に面していない土地については、自分あるいは他人のために、筆が分かれる形で、私道部分が存在する可能性があります。

 このような私道部分は、多くの場合面積は広くなく、100万円以下の価値しかない場合が少なくありません。

 そのような場合、私道部分については、免税措置の対象となる可能性が出てきます。


 また、私道については、何人かで共有している場合もあります。

 そのような場合も、免税措置の対象となる可能性があります。


<土地を多人数で共有している場合>

 不動産は、単独で所有している場合と、何人かで共同所有(共有)をしている場合があります。

 共有の不動産の場合(不動産の共有者の一人が亡くなった場合)、相続登記は、亡くなった方(Aさん)につき、持分移転登記を行うことになります。

 このような持分移転の相続登記については、当該土地の価額に持分の割合を乗じて計算した額が不動産の価額となります。


 具体的には、どのようなことでしょうか。


 例えば、2000万円の土地があったとします。

 この土地の20分の1の持分を有しているAさんが亡くなった場合について考えてみます。

 

 この場合、持分の価額は、2000万円×20分の1=100万円となります。

 100万円以下なので、A持分全部移転の相続登記の登録免許税は免税となります。


<免税であって、控除ではない>

 この100万円以下の土地についての免税措置は、100万円以下の土地のみに適用されます。

 例えば、110万円の土地があった場合、100万円が控除され、110万円-100万円の10万円に対して登録免許税がかかるのではありません。

 110万円に対して登録免許税がかかります。


 相続を原因とする所有権(持分)移転登記の場合の登録免許税は、不動産の価額の4/1000なので、100万円の土地についてはゼロ、110万円の土地については、4,400円の登録免許税がかかることになります。


 なお、この免税措置の適用期限が令和7年(2025年)3月31日までになっていますが、延長の可能性もあるかもしれません。

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