都営住宅と相続(使用承継)
2024/04/24
都営住宅の名義人が死亡した場合、どうなるでしょうか?そのまま住み続けることは出来るのでしょうか?都営住宅の名義人の地位を相続することは出来るのでしょうか?今回は都営住宅の相続(使用承継)について見ていきたいと思います。
目次
都営住宅は公募が原則
都営住宅の入居は公募が原則とされています。それなのに、入居を希望している都民が多数存在するにもかかわらず、公募の例外である使用承継を広く認めてしまうと、長年にわたって同一家系の親族が居住し続けることとなり、入居者と非入居者間の公平性を損なってしまうという問題が生じます。過去には、東京都住宅政策審議会から答申があり、都営住宅の使用承継制度について、利用機会の公平性を確保する観点から、さらなる厳格化を図るべきとの提言があったこともありました。国においても、平成17年12月に「公営住宅管理の適正な執行について」の通知があり、原則として「同居している配偶者及び高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要がある者」のみに承継を認めることするような指針が示されました。
こうしたことから、東京都では、現在、使用承継制度を次のように運用しています。
配偶者のみが原則
都が使用承継を認めるのは、原則として名義人の配偶者に限られています。令和4年11月1日からは、パートナーシップ関係の相手方についても、配偶者同様、使用承継を認める扱いになっています。
例外として、許可する場合
ただし、高齢者、障害者、病弱者の方については、一定の条件を満たせば、名義人の三親等親族まで許可する扱いになっています。
高齢者の場合
承継しようとする方が高齢者の場合、60歳以上であることが条件となります。同居者の年齢は問いませんが、同居者に18歳以上60歳未満の方がいる場合においては、その世帯の収入が入居収入基準以下であることが必要です。
障害者の場合
承継しようとする方が障害者の場合には、承継しようとする方又は同居者が次のいずれかに該当することが必要です。
・愛の手帳1度から4度
・精神障害者保健福祉手帳1級から3級
・身体障害者手帳1級から3級
・所得税法に定める特別障害者で上記に該当しない場合
病弱者の場合
承継しようとする方又は同居者に、疾病により当該都営住宅に継続して居住しなければ生活の維持が困難であると認められる方がいるときには、使用承継が許可される扱いになっています。
・難病患者、原爆被爆者、公害病認定患者
・都立病院(旧公社病院を含む)の医師の診断書を踏まえ、住環境の病状への影響状況に基づき、居住の継続が必要と判断される場合等
使用承継を許可する条件
高齢者、障害者、病弱者の方については、使用承継が許可される扱いになっていますが、以下の条件を満たす必要もあります。
1. 名義人の死亡等の事由が発生した時点で、承継しようとする世帯の収入の合計が入居収入基準以下であること。(高齢者、障害者、病弱者のいずれかに該当する場合は、高額所得者の収入基準以下であること。)
2. 承継の理由が、都の定めた基準等に該当すること。
3. 承継しようとする方が、原則として、名義人が入居したときから引き続き同居しているか、又は正式同居許可を受けてから1年以上経過していること。
4. 使用料を3ヶ月以上滞納していないこと。
5. 承継しようとする方が成人していること。
6. 承継しようとする方及び同居者に持ち家がないこと。
7. 承継しようとする方又は同居者が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員)でないこと。
8. その他、法令等で定める保管義務等に違反していないこと。
名義人が死亡した場合の手続き
名義人が死亡した場合には、次の手続きが必要になります。
「住宅世帯員変更届」の提出
「住宅使用承継申請書」の提出
これらは同時に行うことが可能です。東京都住宅供給公社のお客さまセンターに電話をすると、必要書類一式を送付してくれます。
必要書類等については、また改めて、記載したいと思います。
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