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遺言書作成講座⑤ 遺言を残しても自分の希望が100%実現するとは限らない

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遺言書作成講座③ 遺言を残しても自分の希望が100%実現するとは限らない

遺言書作成講座⑤ 遺言を残しても自分の希望が100%実現するとは限らない

2025/05/03

遺言を残しておけば、自分の希望が100%実現すると考えている方も少なくないかもしれません。

しかし、実際には、遺言を残しておいても、その内容が実現するとは限りません。遺言を作る場合には、なぜ遺言に書いたことが実現するとは限らないのかを知り、少しでも、実現可能性の高い遺言を作成することを心がけることが重要です。

そこで、今回は、遺言書を作成する前に抑えておく事柄として、どのような場合に、遺言に書かれた内容が実現しないのかを見ていくことにします。

なお、今回は、遺言の内容が実現しない可能性がある事柄について、概説するにとどめ、詳しい説明は、次回以降に行っていくことにします。

<遺言の内容が実現するとは限らない要素>​​​​​​

遺留分

遺言と異なる内容の遺産分割協議

法的効力のない文言

遺言が見つからない

遺留分

遺留分とは、相続人に認められる、遺産を取得できる権利のことです。仮に遺言で、その相続人の取得分がゼロとされていても、その相続人は、遺留分に相当する財産を取得することができるのです。

この例において、取得分がゼロとされている相続人を遺留分を侵害されている相続人と呼び、財産を多く取得している相続人を遺留分侵害者と呼ぶとすると、遺留分を侵害されている相続人が遺留分侵害者に対して、遺留分侵害額請求をすると、遺留分侵害者は遺留分請求者に対し、遺留分に相当する金銭を支払わなくてはならなくなります。これが遺留分の制度です。

遺留分の制度は遺言において極めて重要な概念なので、次回以降にまた改めて詳しくご説明しますが、この遺留分制度があることで、遺言の内容が実現しない可能性がでてきます。

遺言と異なる内容の遺産分割協議について

これも詳細は次回以降にご説明していきますが、結論だけ述べると、相続人、受遺者、遺言執行者などの全てが同意していれば、遺産分割協議をして、遺言と違う内容で、遺産を分けることができます。

相続人の事情に配慮されていない遺言を残してしまうと、結局、相続人等が遺産分割協議を選択することになり、遺言の内容が実現しないことになりかねません。

なお、前述の遺留分との関連でいうと、遺留分に配慮していない遺言が残された場合で、遺留分侵害額請求がなされそうだが、遺留分に相当する金銭を支払う能力がないような場合にも、遺留分侵害額請求をやめてもらい、その代わりに、遺産分割協議を行うパターンもあり得ます。

法的効力のない文言

法的効力のない遺言(もしくは遺言のうち、法的効力のない部分)についても、実現しない可能性があります。もっとも、法的効力がなくても、遺言者の気持ちに配慮して、相続人が自発的に、遺言の内容を実現する行動をすることにより、遺言の内容が実現する可能性はあります。

例えば、遺言に、「遺骨は海洋散骨とする」という文言があったとします。この場合、遺言のこの部分には法的拘束力はありません。従って、海洋散骨が実現するかどうかはわかりません。また、公正証書遺言では、そもそも、このような文言を遺言本文に入れることを公証人が認めてくれることはないといえるでしょう(付言で残しておく余地はあります)。

このような場合に、法的拘束力はなくとも、遺言者の気持ちに配慮して、相続人が自発的に海洋散骨を行う可能性はあり得ます。

この例に限らず、遺言のうち、法的拘束力がない部分については、実現する保証は全くないのです。

この他、「ペットに相続させる」というような文言も法的拘束力はないと言わざるを得ません。

※海洋散骨やペットへの遺贈を実現する方法

それでは、海洋散骨やペットへの遺贈を実現させる方法はあるでしょうか?

ここでは詳述は避け、箇条書きで方法の一端を示しておきます。

①海洋散骨等を死後事務委任契約で定めておく

②海洋散骨やペットの世話をすることを負担として、負担付遺贈の形で遺言を作成する

民事信託を利用する

遺言が見つからない場合

遺言は、相続人や受遺者に内緒で残される場合もあります。

相続人や受遺者に知らされることなく遺言が残された場合、遺言が発見されない可能性があります。特に、自筆証書遺言を、誰にも相談せずに作成した場合で、貸金庫等のわかりやすい場所以外に保管しておいた場合、発見されない可能性が出てきます。そもそも、遺言が存在することを知らなければ、遺言を探すことすらしない可能性があるはずです。

遺言が公正証書遺言である場合も、発見されない可能性もあるので注意が必要です。公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるので、破棄や紛失等のおそれはありませんが、遺言者が亡くなっても、相続人から主体的に検索の申出をして、遺言の有無を確認することができますが、相続人等のアクションなしに遺言があるという連絡が来るわけではないので、公正証書遺言が残されていたが、相続人等がそれに気が付かずに、遺言の内容が実現しないということはあり得ます。

遺言が発見されないことがないようにする対策

相続人や受遺者に遺言の存在を伝えておく

自筆証書遺言保管制度及び指定者通知を利用する

遺言執行者に専門職を指定しておき、遺言執行者との連絡を密にしておく

遺言書(自筆証書の場合原本・公正証書遺言の場合謄本または副本)の保管場所を発見されやすい場所にしておく

※公正証書遺言の遺言検索につては、改めてご説明します。

※自筆証書遺言保管制度や指定者通知については、改めてご説明します。


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