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遺言にもとづく相続登記は早急に行うべきである(民法899条の2第1項)

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遺言にもとづく相続登記は早急に行うべきである(民法899条の2第1項)

遺言にもとづく相続登記は早急に行うべきである(民法899条の2第1項)

2025/05/03

相続法の改正 ( 新民法899条の2第1項 )

近年、相続法の大規模な改正が行われていますが、その中に、民法899条の2第1項があります。

この民法899条の2第1項ができたことで、遺言があるからといって、登記をしないで放置しておいても大丈夫だというようなことがなくなりました。遺言と異なる登記をされて、それが第三者の手に渡ってしまうと、取り戻すことができなくなる恐れが生じたのです。

この改正法により、遺言がある場合に、登記をせずに放置しておくリスクが非常に高まったといえるでしょう。言い換えると、遺言が在る場合、遺言に基づいた登記を速やかに行う必要性が高まったのです。

同相続における権利の承継の対抗要件)
第899条の2 第1項 相続による相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

「次条及び第九百一条の規定により算定した相続分」というのはいわゆる法定相続分のことです。「第三者に対抗することはできない」とは第三者に対して、自分の権利を主張できないということです。

例えば、Aさんが亡くなり、相続人が子のB、Cの二人だったとします。AさんはBに甲不動産を相続させるという遺言を残していました。遺言に基づく登記を行わず、放置していたところ、Cさんは、法定相続分の登記(B2分の1C2分の1での登記)を行い、C持分2分の1を第三者Xに売却しました。

Cは、甲不動産について無権利であり、無権利者から財産を取得したXも無権利のようにも思えますが、民法899条の2 1項の規定により、持分2分の1については、Xが権利を取得し、Bはその2分の1の部分については自分の権利を主張できないということになります。

同じようなことは、当事者に悪意(害意)がない場合でも起こりえます。遺言の存在を知らずに、遺産分割協議を行い、持分の売却等を行ったあとに、遺言の存在が発覚するようなこともあり得ることです。

※前提としての法定相続分での登記

この問題を考える上での前提として、法定相続分での登記は、一部の相続人のみでも申請可能であるということがあります。前述の例で、Cは、Bの了承なしに単独で、B2分の1、C2分の1での法定相続分での登記を申請することができるのです。一部の相続人のみでも申請可能ということは、登記がされたことを知らない人が出てくる可能性があるということであり、逆側から見ると、知らないうちに登記されてしまうことがあり得るということを意味しています。

また、別の場合として、債権者が代位登記として、B2分の1、C2分の1での法定相続分での登記を行うような場合もあり得ます。

この問題を考える上での前提として、Bは自分の知らないうちに、法定相続分での登記(遺言の内容とは異なる登記)をされてしまうことがありうることを理解しておく必要があります。

従来の解釈(判例)

従来は、まったく反対の扱いがされていました。前述の例に即して言うと、Bは自分の権利をXに主張することができたのです(最判平 5年7月19日(判時1525号61頁)参照)。言い方を変えると、遺言の内容は絶対で、遺言とは異なる登記がされ、かつ、第三者に登記上の権利が移ってしまった後でも、遺言通りの登記に戻すことができたわけです。

しかし、この考え方には、第三者は遺言の内容はもちろん存在すら知りえない立場にいるのに、そのような遺言の内容を知らない第三者に不測の損害をもたらすことには問題がある等の指摘がされていました。

そこで、相続法の改正により、判例の考え方と異なる条文が設けられたのです。

遺言があるからと言って安心できなくなった

民法899条の2第1項の新設により、遺言がある場合でも、速やかに登記をしておく必要性が生じたといえるでしょう。

繰り返しになりますが、前提として、法定相続分の登記は、一部の相続人からでも登記申請ができます。債権者が代位登記をすることもあります。自分が知らないうちに、遺言とは異なる内容の登記がされてしまう可能性はあるのです。そして、法定相続分での登記がなされた後は、その結果、登記上、自分以外の持分となった部分については、自分の知らないうちに第三者に登記名義が移ってしまうこともあり得ます。

そこまで進んでしまうと、もはや、遺言内容通りに登記することは厳しくなってしまいます。

そうしたことがないように、速やかに、遺言に基づく相続登記をする必要があるのです。この改正は、かなり重要な改正だと思うので、遺言を残す場合も、遺言を残された場合も、本条について認識し、理解し、適切な対応が求められるのではないでしょうか。

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