こうご司法書士事務所

遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合③ 相続人の中に外国在住者がいる場合

お問い合わせはこちら

東京都調布市西つつじヶ丘3-26-7 アーバンフラッツMA202

遺言作成講座④遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合③
相続人の中に外国在住者や帰化者がいる場合

遺言作成講座④遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合③ 相続人の中に外国在住者がいる場合

2025/05/31

推定相続人の中に外国在住者がいる場合

推定相続人とは、ご自身が亡くなった時に相続人となるべき人のことです。ご本人が存命中は、まだ相続が発生していないので、いずれ相続人となるべき人のことを推定相続人と呼びます。

相続が発生したときに、どのような手続をしなくてはならないかを考えることは、相続の準備の一つである遺言を遺すことを考える際に非常に重要です。しなくてはならない手続きから逆算して、準備をすべきか否かを考えることが重要だからです。

以下、場合わけをして、外国在住者と相続手続きについて考えてみます。

相続人の中に外国在住者がいるときの場合分け

外国在住だが、住民票は日本に残している場合

外国在住で、日本に住民票がない場合

外国在住だが、住民票は日本に残している場合

相続人の中に外国在住の方がいる場合でも、住民票が日本にある場合、相続手続きは、ほぼ、日本在住の場合と手続きは同じです。

住民票と印鑑証明書が発行されるので、住民票と印鑑証明書、そして、実印を押印した遺産分割協議書に実印を押印すれば、通常の相続手続きとほとんど変わることなく、手続きをすることができます。

外国在住で、日本に住民票がない場合

日本に住民票がない場合、印鑑証明書が発行されないことになります。印鑑登録がないので、実印も存在しません。従って、遺産分割協議書に実印を押印し、印鑑証明書を添付するという通常の相続手続きができないという問題が発生します。

また、相続人が不動産を取得する場合、住所を登記するために、住民票の添付が必要になります。海外在住者が不動産を取得する場合にも住所を登記する必要がありますが、日本に住民票がない場合、住民票を添付して、住所を登記することができないという問題が生じます。

印鑑証明書の代わりには、サイン証明書(署名証明書)というものがあります。住民票の代わりには、在留証明書という書類があります。

サイン証明書や在留証明書は、在外公館(外国にある日本国大使館、総領事館)にて取得することになります。在留証明書は、在外公館に出向くことができないやむを得ない事情がある場合は代理で申請することもできますが、サイン証明書は、遺産分割協議書持参のうえ、本人自らが在外公館に出向かないと取得できません。

ただし、サイン証明書は、帰国時に、日本の公証役場で取得することも可能です。

サイン証明書取得の流れ

サイン証明書を在外公館で取得するときの流れは、おおよそ、次の通りです。

相続人間で遺産分割(遺産の分け方)について合意する

合意の内容を遺産分割協議書(遺産分割協議証明書)にまとめる

在外公館に電話し、必要書類等を確認し予約をする(オンライン予約可能な在外公館もあり)

必要書類と遺産分割協議書(遺産分割協議証明書)を持参し、相続人本人自身が在外公館に出向く

在外公館にて、領事の面前で遺産分割協議書(遺産分割協議証明書)に署名し、証明書の交付を受ける。

 

サイン証明書の二つの形式

サイン証明書には、次の二つの形式があります。

形式1:在外公館が発行する証明書と申請者が領事の面前で署名した遺産分割協議書を綴り合わせて割印を行うもの

形式2:申請者の署名を単独で証明するものです。

相続手続(特に相続登記)では、基本的には、形式1を使用します。銀行では、形式2で大丈夫な場合もあります。

形式1の場合、遺産分割協議書の内容に変更したいような場合、もう一度、在外公館まで出向く必要があります。形式2の場合、印鑑証明書と同様、1枚物の紙になるので、遺産分割協議書の内容に変更があっても、再度証明を受ける必要はありません。

証明書形式の遺産分割協議書(遺産分割協議証明書)の活用

遺産分割協議書には、1つの書類に相続人全員が署名捺印する形式のものと相続人各々が別個に署名捺印する形式(いわゆる、遺産分割協議証明書)の二つの形式があります。

海外在住者がいる場合には、相続人各々が別個に署名捺印する形式での作成をお勧めします。

サイン証明書の期限

相続登記に使用する場合、サイン証明書に期限はありません。相続登記に使う印鑑証明書に期限がないのと同様です。

一方、金融機関で使用する際のサイン証明書には、期限があるのが一般的です。金融機関で使う印鑑証明書に期限があるのと同様です。多くの金融機関では、6か月以内としていますが、金融機関によって扱いは異なるので、必ず、各金融機関に確認をしてください。

※法定相続分での相続手続き

法定相続分で相続登記を行う場合、遺産分割協議は不要なので、サイン証明書は不要となります。この場合でも住所を証する書面が必要になるので、在留証明書は必要になります。

法定相続分での相続手続きでも、例えば、銀行預金の分割のような場合には、サイン証明書が必要になるのが一般的です。銀行預金の解約には、相続人全員の実印での押印と印鑑証明書の添付(もしくはそれに代わるもの)が必要になるからです。

推定相続人の中に帰化者(日本国籍離脱者)がいる場合

推定相続人に帰化者(日本国籍離脱者)がいる場合はどうでしょうか?

ここでいう、帰化者とは、日本国籍を離脱した方のことです。

日本国籍離脱者がいるときの場合分け

帰化者が日本国在住であり、住民票や印鑑証明書の取得が可能な場合

帰化者が海外在住で、住民票や印鑑証明書の取得ができない場合

前者の場合、遺産分割協議書の作成は通常通り行えます。

ただし、戸籍がないという問題があります。

後者の場合、国によって異なるので、詳細は省略します。しかし、通常の手続きよりも複雑な手続きを要することは間違いないです。

海外在住者の相続手続き緩和対策としての遺言書作成

以上のように、相続人に海外在住の方がいる場合には、相続手続きに手間と費用が掛かることになります。

それを防ぐために、あらかじめ遺言を遺しておくと、今回ご説明したようなサイン証明の取得等をしなくても、相続手続きができる可能性が出てきます。

今回ご説明したような流れを手間と感じるかは人それぞれだとは思いますが、そうした理由から、(推定)相続人の中に海外在住者(もしくは帰化者(日本国籍離脱者))がいる場合には、遺言書作成を検討した方がよいケースと言えるのです。

※相続人全てが海外在住者である場合の死後事務委任契約

相続人が日本国内に一人もいないような場合には、遺言とは別に死後事務委任契約を締結しておくことも考えられます。すぐに日本に来られるのであればよいですが、そうでない場合には、葬儀をどうするのか、埋葬をどうするのか等、死後事務について決めておき、専門職と死後事務委任契約を結んでおくことも選択肢の一つです。

----------------------------------------------------------------------
こうご司法書士事務所
東京都調布市西つつじケ丘3-26-7
アーバンフラッツMA202
電話番号 : 042-444-7960


調布で安心の相続手続を支援

調布で個別に寄り添う遺言書作成

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。