抵当権抹消登記申請書の書き方と手続き | 司法書士が教える
2024/03/20
不動産売買やローン返済など、様々な事情で抵当権の抹消が必要になることがあります。そんな場合、抵当権抹消登記申請書を作成し手続きを進める必要があります。この記事では、司法書士が具体的に抵当権抹消登記申請書の書き方や手続きの流れを詳しく解説します。不動産の取引において必要不可欠な情報を提供することで、安心して手続きに取り組むことができるでしょう。
目次
抵当権抹消登記について
抵当権抹消登記とは、抵当権が設定されている不動産からその抵当権設定登記を消去する手続きのことです。抵当権とは、担保権の一種で、例えば、住宅ローンを組んで家を建てるとき、不動産を担保しますが、その際に利用されるのが抵当権です。根抵当権が利用されるときもあります。
ローンを完済すると、実体法上は、抵当権は消滅します(抵当権の附従性)。しかし、抵当権の登記が自動的に消えるわけではありません。抵当権を登記上消すには、抵当権抹消登記が必要なのです。
抵当権抹消登記申請の当事者(共同申請の原則)
抵当権抹消登記は、登記権利者(消費者)と登記義務者(金融機関)が共同申請で行ないます。抵当権が消えたからといって、皆さんご自身だけで、抹消登記ができるわけではないのです。
ただし、共同申請といっても、皆さんと金融機関の両方が登記申請者になるわけではありません。通常は、金融機関から貰った委任状を添付して登記申請を行ないます。登記義務者から委任状を貰って登記申請することで、共同で申請した扱いになるわけです。
銀行から送られてくる書類
ローンを完済すると、銀行から抹消書類一式が送られてきます。抵当権抹消登記申請では、ご自身で作成した登記申請書に、銀行から送られてきた抹消書類を添付して行ないます。勿論、司法書士にご依頼いただくことも可能です。銀行から送られてく書類のうち、主なものは次の通りです。
解除証書(弁済証書)
登記済証(登記識別情報通知)
委任状
会社法人等番号
これらの書類はなくしたりすると手続の手間が増えるし、なくさない場合でも、委任状に記載された金融機関の代表者が代わってしまった場合のように、登記手続きに一工夫必要になっていしまう場合もあります。抹消登記申請は、速やかに行ないましょう。
銀行から送られてくる書類で、一番重要なのは、登記済証(登記識別情報通知)です。他の書類と異なり、代えがきかない書類なので、再発行して貰うことはできません。万一、登記済証(登記識別情報通知)をなくしてしまった場合には、銀行と相談の上、事前通知という制度を利用することになります。
抵当権抹消登記申請の手続き
登記申請難しさの一つは、登記申請書をご自身で作る必要があるということです。市町村の手続のように、申請書の空欄を埋めればよいわけではなく、自分で申請書自体を作成しなくてはならないのです。パソコンを使えないと、作成は困難になります(手書きの申請書を出すこともできはしますが)。難しければ、この手続を司法書士に依頼してもよいと思います。
抹消登記申請書が作れたら、添付書類を添付して、登記申請を行ないます。原本還付を希望する書類については、コピーを取り、原本還付処理をしておきます。 ご自身で登記申請をする場合、法務局で相談してから申請書を出すのが望ましいです。法務局で相談をするには電話での予約が必要です。
抵当権抹消登記申請における司法書士の役割
抵当権抹消登記自体は、登記申請の中では比較的簡単なものになります。しかし、はじめて登記申請をする方がほとんどで、しかも、何回も行なう手続ではないので、やり方を覚える実益もあまりないというのが正直なところです。登記申請は司法書士の独占業務であり、登記に申請手続においては司法書士が重要な役割を果たします。 抹消登記申請においても、司法書士に依頼して、スムーズな登記につなげることも選択肢の一つだと思います。