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戸籍の附票について(相続登記の必要書類)

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戸籍の附票(相続登記の必要書類)

戸籍の附票について(相続登記の必要書類)

2025/02/01

相続登記における戸籍の附票・住民票の除票の必要性

相続登記の必要書類の中に、住民票の除票もしくは戸籍の附票というものがあります。

たとえば、金融機関の手続においては、住民票の除票や戸籍の附票が必要とされていないことがほとんどです。それ故に、金融期間の手続をご自身でやり、相続登記だけをご依頼くださる方がいらっしゃる場合、戸籍等は全部あるが、住民票の除票だけはない、というようなことが珍しくありません。

なぜ、相続登記では、住民票の除票もしくは戸籍の附票が必要なのでしょうか?

登記簿の記載

原因 平成25年6月15日売買

所有者 調布市北つつじヶ丘一丁目2番地3

三鷹 太郎

戸籍の記載

本籍 東京都調布市深大寺三丁目5番地

氏名 三鷹 太郎

登記簿の記載と戸籍の記載と見比べてみると、登記簿には住所と氏名が書いてあり、戸籍には本籍と氏名が書いてあることが分かります。

ここでのポイントは、登記簿には本籍の記載はなく、戸籍には住所の記載がないことです。

そのため、「調布市北つつじヶ丘一丁目2番地3 三鷹 太郎」と「本籍 東京都調布市深大寺三丁目5番地

 三鷹 太郎」が同一人なのかが、戸籍からは分からないという問題が生じてしまいます。戸籍だけを添付しても、法務局は、本当に登記名義人の三鷹太郎なのか、同姓同名の別人である三鷹太郎なのか判断がつかないのです。

そこで、住民票の除票または戸籍の附票も添付する意味が出てきます。住民票や戸籍の附票には、本籍、住所、氏名が載っているからです。一つの公的書類に、本籍、住所、氏名が載っているので、所有権登記名義人の三鷹太郎と戸籍の三鷹太郎が同一人であることが分かるのです。

これが、相続登記の際に、住民票の除票もしくは戸籍の附票を添付する理由です。

戸籍の附票とは?

ところで、戸籍の附票とは何なのでしょうか?

住所変更(住民票の異動)をすると、住所地の自治体に住民票が作られるだけではなく、本籍地にも情報がいき、戸籍に記録されることになります。その戸籍が有効な期間になされた住所変更の記録は全て記録され、戸籍の附票を請求すると、その戸籍が有効である期間の住所の変遷全てを一覧にして見ることができます。

なお、戸籍と同じように、戸籍の附票にも謄本(全部事項証明)と抄本(個人事項証明)があります。

戸籍の附票と住民票の除票の違い

相続登記には、通常、住民票の除票を添付しても、戸籍の附票を添付してもどちらでもよいのですが、戸籍の附票でないと使えない場合もあります。その理由のご説明をすることは、同時に、戸籍の附票と住民票の除票の違いをご説明することに重なってきます。

先ほどご説明したように、戸籍の附票や住民票の除票を添付する理由は、登記簿上の所有権登記名義人と戸籍上の被相続人が同一人物であることを示す必要があるからです。言い換えると、戸籍の附票や住民票の役割は、登記簿と戸籍をつなぐ役割であると言えます。

ここで、被相続人が何回も住所を変えていたのに、住所変更登記をしていなかったとします。住民票の除票には前の住所までしか載っていません(同一市町村内の住所変更の場合にはそれ以前の住所が載っている場合もあります)。このような場合、住民票の除票だけでは、戸籍と登記簿をつなぐ役割が果たせなくなってしまいます。そのため、住民票の除票を添付するだけでは、相続登記申請が受理されないことになってしまいます。

一方、戸籍の附票であれば、その戸籍が有効な期間の全ての住所の変遷が載っているので、戸籍の有効期間内の住所の変遷の全てを示すことが出来ます。

戸籍の附票と住民票の除票にはこのような違いがあり、住民票の除票だけでは戸籍と登記簿をつなげないような場合でも、戸籍の附票であればつなぐことができ、問題なく登記申請が出来る場合があるのです。

改製原戸籍の附票と除籍謄本の附票

被相続人が長期間住所変更登記をしていなかった場合や相続登記を長期間放置していたような場合には、戸籍の附票では対応できない場合があります。あくまで、戸籍の附票には、その戸籍が有効だった期間の住所しか記録されないからです。

例えば、改製によってその戸籍が編製される前の住所や転籍によって除籍となった後の住所等はその戸籍に記録されることはありません。

それゆえに、長期間放置しているようなケースでは、戸籍の附票だけでは住所がつながらないことが珍しくありません。

このような場合どうしたらよいでしょうか?

改製前の戸籍を改製原戸籍(かいせいげんこせき・はらこせきなどと呼ばれます)といいます。改製原戸籍にも附票があります。

その戸籍に載っている人が全員死亡したり他の戸籍に入籍したりして、戸籍中に存命の人がゼロになったり、他の自治体に転籍したりすると、その戸籍は「除籍」となります。除籍にも附票はあります。これを除籍の附票とか、戸籍の除票、戸籍の附票の除票などと呼びます。

改製原戸籍の附票や除籍謄本の附票が入手できる場合、戸籍の附票に加えて、それらを添付することで、登記簿と戸籍をつなぐことが出来る場合があります。

改製原戸籍の附票や除籍謄本の附票の廃棄

しかし、改製原戸籍の附票や除籍謄本の附票は、常に入手できるとは限りません。

かつての制度では、改製原戸籍の附票や除籍謄本の附票、そして住民票の除票の保存期間は5年とされており、5年経つと廃棄されていたからです(ただし、自治体によっては、保管されている場合もあるので、個別の自治体に問い合わせてください)。

改製原戸籍の附票や除籍謄本の附票の保存期間の延長

住民基本台帳法施行令の一部改正(令和元年6月20日施行)により、戸籍の附票の除票および改製原附票の保存期間がそれまでの5年間から150年間に延長されました。

従って、今回ご説明したような問題は、いずれ解消されていくものと思われます。

しかし、既に廃棄されているものが復活することはないので、長期放置ケースでは、この問題は、登記を困難にする要因となり続けそうです。

もっとも、住所がつながらない場合でも、

登記済証を添付する

課税明細書を添付する

上申書を添付する

廃棄証明書を添付する

不在籍不在住証明書を添付する

等の方法で相続登記は出来ますので、手間はかかりますが、相続登記をあきらめる必要はまったくないので、ご安心ください。

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