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遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合② 相続人の中に認知症の方がいる場合

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遺言作成講座③遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合②
相続人の中に認知症の方がいる場合

遺言書作成講座③遺言を遺言を遺すことを検討すべき場合② 相続人の中に認知症の方がいる場合

2025/02/04

推定相続人の中に認知症の方がいる場合

推定相続人とは、自分が亡くなった時に相続人となるべき人のことです。ご本人が存命中は、その相続人のことを推定相続人と呼びます。

推定相続人の中に認知症の方がいる場合、相続手続きが非常に困難になります。判断能力がない場合には、遺産分割協議が出来ないからです。従って、このような場合、もしくは推定相続人の中に将来認知症になる可能性がある方がいらっしゃる場合には、遺言を遺すことを検討したほうが良いと思われます。

遺言を遺しておけば、遺産分割協議が不要になるので、遺産分割協議なしに、相続手続き(遺言執行)が進められるからです。

まずは、遺言を遺していない場合で、相続人に認知所の方がいる場合はどうなるのかを見ていきたいと思います。遺言を遺しておかない場合に、どのような手続きが必要なのかを見ておくことは、遺言の必要性を考えるのにプラスになると思います。

なお、相続人に認知症の方がいる場合でも、その方に判断能力(遺産分割協議をするだけの判断能力)がある場合には、通常通り遺産分割協議をすればよいことになります。今回のお話は、特に説明がない限り、任意致傷の方に判断能力がない場合を前提にしています。

相続人に認知症の方がいる場合、相続手続きを進めるにあたって取るべき方法は二つあります。

相続人の中に認知症の方がいる場合の選択

成年後見(保佐・補助)開始の申立をする

放置する(認知用の方が死亡するのを待ち、おsの後、残された相続人のみで手続きをする)

※法定相続分で相続する

成年後見(保佐・補助)開始の申立をする

相続人の中に認知症の方がいて、その方が遺産分割協議に参加できない場合の、もっともオーソドックスな対処方法は、認知症の方について、成年後見開始の申立をし、成年後見人がご本人に代わり、遺産分割協議に参加するというやり方になります。成年後見人が遺産分割協議に参加することで、遺産分割協議を成立させることが出来ます。そして、成立した遺産分割協議の内容をもって、相続手続きを進めていくことが出来るのです。

成年後見(保佐・補助)開始申立のデメリット

成年後見開始の申し立てをする方法には、いくつかのデメリットがあります。

一つ目のデメリットとしては、遺産分割協議の方法が制限されるということです。

成年後見人が成年被後見人のために行う遺産分割協議では、原則として、成年被後見人のために、法定相続分を確保することが求められています。成年被後見人の取得分が法定相続分に満たない遺産分割は、できないのです。

二つ目のデメリットとしては、現在の制度を前提とする限り、成年後見は、被後見人が亡くなるまで続くということです。遺産分割協議が終了しても(課題が解決しても)、成年後見は終了しないのです。

三つ目のデメリットとしては、ご親族が成年後見人に選ばれるとは限らず、しかも、裁判所の人選に異議を述べることは出来ないということです。

成年後見開始の申し立てにおいては、後見人の候補者を記載することが出来ます。通常は、候補者の欄に記載した候補者が選ばれることになります。専門職(司法書士・弁護士・社会福祉士)であり、かつ名簿登載者である場合には、ほぼ100%記載した候補者が選ばれますし、親族を記載した場合でも、かなりの確実で候補者がそのまま選任されます。

ただし、遺産の内容が複雑であるとか、相続人間で争いがあるとか、後見開始や人選に反対の親族がいる場合には、候補者である親族が選ばれず、専門職が選ばれる可能性が高くなります。

四つめのデメリットは、専門職が成年後見人に選任された場合、後見人の報酬が発生するということです。

基本報酬のほかに、遺産分割協議の付加報酬報酬も発生することになります。また、前述の通り、後見は被後見人の死亡まで終了しないので、ランニングコストとしての報酬も発生し続けることになります。

五つ目のデメリットは、ご親族が選ばれた場合、さらに、その後、特別代理人選任の必要もある場合が多いということです。

後見人たる親族は、共同相続人であることがほとんどだと思います。例えば、お父様がお亡くなりになり、お母様が認知症である場合、お子様のうちのいずれかの方がお母様の後見人になるのが一般的だと思います。このような場合、後見人となったお子さんは、自分自身が相続人であると同時に、相続人であるお母様の後見人でもあります。この二つの立場は利益が相反します。後見人と被後見人の利益が相反する場合、特別代理人を選任し、後見人でなく特別代理人が遺産分割協議に参加することになるのです。

特別代理人には親族でもなれるので、専門職でなく、親族を特別代理人とすることもできます(ただし、相続人は特別代理人にはなれないので、叔父叔母や配偶者の両親などを宅別代理人にすることになります)。

専門職が特別代理人になる場合、報酬が発生します。近時の裁判例によると、専門職が特別代理人になる場合、かなり重い責任が生じるので、その責任にふさわしいだけの報酬を覚悟しておいたほうがよいと思われます。

なお、特別代理人の選任申し立てをする場合、事前に家裁の書記官に相談することになりますが、ここで、特別代理人ではなく、監督人を選任することになる場合もあります。

何もしないで放置するという選択

事案によっては、デメリットが大きく、費用もかかることから、放置を検討することもあり得ます。

なぜなら、認知症となっているのは主に配偶者であると思われますが、高齢であるため、その死後に、相続手続きをすればよいという考え方もありうるからです。

特に、相続人間でもめ事がなく、相続手続きをしなくても、相続人(特に配偶者)の生活が成り立つであろうときには、放置も検討すべき案となりえます。

もっとも、放置は、やむを得ずする選択であって、積極的に推奨されるべき選択ではないと思われます。

※法定相続分での相続手続き

法定相続分での相続には遺産分割協議は不要なので、法定相続分で相続手続きを行うということも、一応は考えらえます。

しかし、例えば、登記手続きでは、登記申請能力がない場合にどうするのかという問題が発生しますし、銀行手続きでは、法定相続分で分割するときも、銀行所定の用紙に相続人全員の署名捺印を求められることになりますが、署名捺印をどうするのかという問題があります。

確かに、法定相続分での相続手続きには遺産分割協議書は不要ですが、実際の手続きをする際に、問題が残ることになります。

認知症対策としての遺言書作成

以上のように、相続人に認知症の方がいる場合には、相続手続きに手間と費用が掛かることになります。

それを防ぐために、あらかじめ遺言を遺しておくと、認知症の方の関与なしに、相続手続きを進めることができることになります。

そうした理由から、(推定)相続人の中に認知症の方(もしくは相続発生時に認知症になっている可能性のある方)がいる場合には、遺言書作成を検討した方がよいケースと言えるのです。

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