こうご司法書士事務所

相続財産清算人(相続財産管理人)選任申立(相続人不存在)

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相続財産管理人(相続財産清算人)選任申立

相続財産清算人選任申立

被相続人が亡くなって相続人がいない場合、残された財産は、原則として国庫に帰属したり、他の共有者に帰属したりすることになります。
しかし、相続人なくして亡くなった場合でも、債権者に債務の弁済する必要があったり、受贈者に財産を遺贈したり、特別縁故者への分与を行ったりするために、相続財産を管理する必要が出てくる場合があります。
そうした相続人がいない場合に相続財産を管理する人が相続財産清算人になります。

なお、相続財産清算人の制度は、令和5年の財産管理制度の変更のときから始まった新しい制度になります。以前は、相続財産管理人制度がありましたが、それが相続財産性差人の制度へと移行したのです。

ただし、令和5年4月1日以前に選任された相続財産管理人については従前お礼が適用されることとなります。

相続財産清算人が必要となる可能性のあるケース

相続人が不存在の場合で、主に、相続財産管理人選任が必要となる可能性があるのは次のケースになります。

●相続財産から債権を回収したい
●特別縁故者として相続財産の分与を受けたい
●不動産の共有者が亡くなった場合に、共有者の持分を取得したい

例えば、相続人なくして亡くなった方の内縁の妻だった方や事実上の養子だった方は、特別縁故者として財産の分与を受けられる可能性があります。
或いは、亡くなった方にお金を貸していた方がいたとしても、相続財産を管理する人がいなくては、貸金を回収することができません。

その前提として、相続財産管理人の選任という手続が必要となります。

こうご事務所では、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てる手続を承っております。

亡くなった方の内縁の妻だった方や養子縁組はしていなかったが事実上の養子だった方は、特別縁故者に該当する可能性があります。
特別縁故者として、故人の方の財産を引継ぎたいという方等は、がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にお問合せくださいませ。

特別縁故者についての詳細は、特別縁故者に対する相続財産分与の申立のページをご覧ください。

なお、相続人がいない場合とは、被相続人に物理的に相続人がいない場合だけではなく、相続放棄の結果、誰も相続人がいなくなったような場合も含みます。

また、特別縁故者として故人の財産を引き継ぐには、家庭裁判所に特別縁故者に対する相続財産分与の申し立てをし、認められる必要があります。

相続財産分与の申し立てとその前提としての相続財産管理人申し立てには、費用や報酬が掛かりますが、それらの手続きをしても必ず特別縁故者として財産を引き継げるわけではないので、ご注意ください。

不動産を共有している方で、共有者が亡くなった場合にも、相続財産管理人の選任が必要な場合があります。

相続人不存在の場合、債務の精算等が行われ、次にもし特別縁故者がいる場合には、家裁の審判で認められれば、特別縁故者が財産を取得します。

もし、特別縁故者がいない(決められた期間内に特別縁故者からの財産分与の申立がなかった)場合には、相続財産は、単独所有のものなら国庫に帰属します。
相続財産が共有の場合には、共有者に帰属します。

ただ、相続人がいないからといって、共有財産が自動的に共有者に帰属するわけではありません。

相続財産を共有者に帰属させるためには、まず相続財産管理人を選任し、相続財産管理人に債務の精算等を行ってもらい、その後、一定期間内に特別縁故者が現れなかった場合(特別縁故者への相続財産分与の審判が却下された場合も含む)に初めて、相続財産が共有者に帰属することになるのです。

従って、共有者として、故人の財産を取得するには、まず、相続財産管理人選任を申し立てることからスタートする必要があるのです。

なお、最終的に不動産が共有者に帰属することになった場合でも、不動産が自動的に共有者名義になるわけではありません。

この場合には、特別縁故者不存在確定を原因とする持分全部移転登記をする必要があるのです。

相続財産清算人選任申立の報酬

相続財産清算人選任申立:150,000円

相続財産管理人制度(相続財産の保存が必要な場合)

相続人が不存在の場合ではないですが、従来の財産管理制度と同様に、改正後も、相続財産保存のための相続財産管理人選任の制度は存在しています。

例えば、成年後見が終了した後に、相続人がいるにもかかわらず、相続人が引継に応じないときには、民法918条2項に基づき、相続財産管理人を選任し、相続時産管理人に財産を引き渡すというようなことが行なわれていました。改正後は、民法897条の2に基づいて、相続財産管理人を選任し、財産引継を行なうことになります。 

民法第897条の2 

家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。

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