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代襲相続と養子縁組の関係(養子や養子の子は代襲相続によって相続人になれるか)

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代襲相続と養子縁組の関係(養子や養子の子は代襲相続によって相続人になれるか)

代襲相続と養子縁組の関係(養子や養子の子は代襲相続によって相続人になれるか)

2016/07/04

 今回は、代襲相続(だいしゅうそうぞく)と養子縁組について書いてみたいと思います。

 具体的に言うと、養子や養子の子の場合には代襲相続は発生するのか、言い換えると、養子や養子の子は代襲相続人になれるのかということになります。
 

<代襲相続とは>

 

 代襲相続とは、相続が発生するよりも前に相続人が死亡している場合などに、その相続人の子ども等が代わりに相続人となることをいいます。

 一言でいうと、相続人になるはずだった人が被相続人より先に亡くなった場合に、相続人になるはずだった人(被代襲者)の代わりにその子供(代襲者)が相続人になるということです。
 

  なお、相続人が先に死亡している場合のほか、相続人に欠格事由があり相続人になれない場合や、廃除により相続人で亡くなった場合にも代襲相続が発生します。

 ただし、相続人が相続放棄をした場合には、代襲相続は発生しません。 
 

 

<養子と代襲相続>


 養子と代襲相続の関係について考えるには、代襲相続に定めた民法887条2項を確認するのが一番です。

民法887条2項

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない


 民法887条2項本文には 「被相続人の子が・・・・・その者の子がこれを代襲して相続人となる」と書かれています。

 

 養子も、披相続人の子ですから、養子が養親より先に亡くなっていた場合も、代襲相続は発生することになります。
 

 

<養子の子と代襲相続>

 

 養子の子の場合はどうでしょうか?

 被相続人が亡くなる前に、養子が亡くなっており、その養子に子どもがいる場合です。


 民法887条2項には、但書がついています。
 

ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない
 

 887条2項の本文と但し書きをあわせて読むと、

 

養子の子も被相続人の子の子である

従って、養子の子の場合でも代襲相続は発生する

ただし、代襲者が披相続人の直系卑属でない場合には、代襲相続は発生しない

 

という二つのことが言えるかと思います。

つまり、養子の子は原則として代襲相続人になるが、養子の子が直系卑属でないときは代襲相続人にならないということになります。
 

 

<養子の子が直系卑属でないときとは?>
 

 とすると、代襲者が披相続人の直系卑属でない場合とはどのような場合かが問題となります。


 養子縁組による親族関係の発生については、民法727条に規定されています。


民法第727条

養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。

 

 民法は、養子縁組によって、養子と養親及びその血族との間に親族関係が発生するとしています(民法727条参照)。

 

 一方で、養親と養子の血族については、縁組によって親族関係が発生するとは書かれていません。

 判例は、養子縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親の間には親族関係を生じない(大判昭和7年5月11日)としています。

 

 従って、養子縁組以前に生まれていた養子の子と養親の間には親族関係は発生せず、養子縁組以前に生まれていた養子の子は、養親の直系卑属ではないことになります。

 この場合、民法887条2項但書の「代襲者が披相続人の直系卑属でない場合」に該当し、代襲相続は発生しないことになります。

 

 養子縁組以降はどうでしょうか。

 養子縁組によって、養子と養親との間に親族関係が発生します。

 そして、養親と養子の間に親族関係が発生してから生まれた子どもは、養親とも親族関係となります。

 この場合、養子の子は養親の直系卑属となり、代襲相続が発生することになります。

 

 民法727条但書によって、養子縁組を境に養子の子(養子の血族)と養親(被相続人)との間に親族関係が発生するかで結論に違いが出てくることになりますのです。
 

 

<養子の子と代襲相続の具体例>

 

  代襲相続で問題となるのは、相続人の子が被相続人の直系卑属かです。

 具体的には、以下の例のようになります。


 養子縁組が平成20年1月1日だとします。


 養子の子どもが、養子縁組の前である平成10年1月1日にすでに生まれていた場合、養親と養子の子どもの間に親族関係は発生しないことになります。

 親族関係が発生しないということは、代襲者が披相続人の直系卑属にはならないということを意味します。

 従って、養子の子どもは、891条但書の被相続人の直系卑属でない者に該当し、代襲相続は発生しないことになります。


 養子の子どもが、養子縁組後の平成25年1月1日に生まれた場合はどうでしょうか?
 

 養子縁組以降は、養親と養子に発生した新たな血族との間に親族関係が発生するので、養親と養子の子どもは親族関係となります。

 その結果、養子の子は養親の直系卑属となり、代襲相続が発生することになります。


 ということは、同じ養子の子どもであっても、養子縁組の前に生まれていたか、養子縁組の後になって生まれたかで代襲相続が発生するかの結論に差が出てくることになります。
 

 一つ屋根の下で、家族として暮らしていたとしても、兄弟間で代襲相続人になれれるかなれないかの結論が違ってくる場合があるので、注意が必要です。


 なお、養親、養子の順番で亡くなった場合で、養親の相続が済んでいないときは、養子の子は、縁組の前に生まれたか先に生まれたかに関わりなく、全員が相続人になることになります。

 この場合は代襲相続ではなく、数次相続(数次にわたる相続)になります。

 一次相続で、養親の相続財産を養子が相続します。

 その養子が相続により取得した財産をその子が二次相続で取得することになるので、養子の相続人である養子の子全ての人に相続権があるわけです。


 亡くなる順番によって相続人が変わることはよくありますが、養子と代襲相続も、その典型例の一つかと思います。


 結論にすっきりしない感覚を持たれるかともいらっしゃるかもしれません。

 しかし、ご自身の感覚と法律の結論が違うときは、ご自身の死後のことについて何らかの準備をしておいたほうがいい可能性があります。

 そのような場合には、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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