戸籍の広域交付(調布市の最新状況2024年7月4日投稿)
2024/07/04
戸籍の広域交付の制度が2024年3月からスタートしました。一部例外を除き、相続登記に必要な戸籍全てが、全国どこの市区町村の窓口でも取得可能になりました。ニュースで話題になったり、システムにトラブルがあったりと、世間的にも話題になっているので、皆さんよくご存じかと思います。
今回は、調布市を例にとり、戸籍の広域交付の現状についてお話したいと思います。
目次
戸籍の広域交付(調布市の場合)
戸籍の広域交付ですが、以前もお伝えしたように、調布市の場合には、市役所本庁の市民課窓口だけでなく、神代出張所でも対応可能となっています。市役所窓口だけでなく、神代出張所でも、全国の誰でも戸籍が取れることになっています。地域福祉センターや市民プラザあくろすが広域交付には対応していないのは、これまでお伝えしてきたとおりです。
「本人が記載されている現在の戸籍」については即日交付できるようですが(この戸籍についても数日待たされたという情報もあります)、それ以外の戸籍の交付については、何日か待って、再来庁して取得する必要があります。現状、相続登記に必要な戸籍を全部集めるような場合には、合計2回の来庁が必要であり、かつ、何日か待たされる状況にあるようです。
戸籍の広域交付の注意点
私も、すでに何人かのご依頼者の方に、戸籍の広域交付を利用して戸籍を取得することをお願いしています。戸籍の広域交付は、代理人は利用できないので、ご依頼者ご自身が広域交付を利用して戸籍を収集する方が、安価で早く取得できるからです。
先日、この広域交付で、取得した戸籍が足りないという事態が生じました。広域交付では、被相続人の戸籍を生まれてから亡くなるまですべて、一度に、全国どこの窓口でも取得することが出来ます。しかし、残念ながら、間違いが起こることもあるようで、先日、戸籍が一つ足りないという事態が生じました。
つまり、現状では、取得した戸籍に不足がないとは限らず、戸籍を取得して、それをご自身で活用する場合には、戸籍が読める(不足がないことを確認できる)必要があると思われます。
この点は、制度が始まったばかりである現状では、注意事項として押さえておく必要があると思われます。
戸籍の広域交付の運用の仕組みと間違いが起こる可能性
現在、戸籍の広域交付では、次のようなやり方がとられているようです。
まず、戸籍を請求された窓口職員は、戸籍のイメージを確認します。そこで、職員が不足等を確認した場合には、該当の市区町村に問い合わせを行うようです。そのうえで、不足があれば、補うことになるようです。逆に言うと、窓口職員が不足等を確認出来ない場合、不足等に気が付かずに交付されてしまうことになります。
現状では、戸籍に漏れがないということはなく、漏れがあるかどうかも窓口職員が目視で確認するので、どうしても、不完全な戸籍が交付される可能性はあると思われます。
そうした状況は、少しずつ解消されていくとは思いますが、現状では、広域交付は完全な仕組みではないことを十分に理解しておく必要があるのではないでしょうか。
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